大振連だより  

第9号(2003年秋号)
(1面)

頑張るなにわの商店街
東大阪市 瓢箪山中央商店街振興組合 〔サンロード瓢箪山〕 
宅配事業で需要開拓

地域と商店街との結びつき強まる

 地域の高齢化が進む中で、宅配事業に取り組む商店街が増えている。しかしその多くは、収益性や配送の人手の問題などで、必ずしも順調であるとはいえない。そんな中で、宅配事業を「地域との関係づくりに欠かせない商店街の基本機能」と位置づけ、頑張っている商店街がある。東大阪市のサンロード瓢箪山(瓢箪山中央商店街振興組合・和合猛理事長)だ。昨年10月にスタートしてから1年ほどしか経過していないが、高齢者・主婦の支持を受け、着実に効果をあげている。

隣接商店街との共同事業としてスタート


▲組合事務所内に設置された受付所


▲宅配事業を開始したサンロード瓢箪山


▲50リットルの専用コンテナボックス


▲配送専用の三輪バイク


▲宅配便を告知するチラシ


▲連合体「スマイル瓢箪山」のホームページ

 サンロード瓢箪山(瓢箪山中央商店街)は、戦後間もない昭和22年、近鉄奈良線瓢箪山駅前の旧国道170号沿いに形成された商店街である。翌23年には日本で最初に国道にアーケードを設置。昭和54年には法人化して振興組合となり、現在組合員数124店に至っている。

 当商店街のある瓢箪山駅前は、周辺地域の宅地化の進展に伴って、複数の商店街・市場が誕生し、相互の競争の中で、地域の買物広場として大きく発展した。

 しかし近年、大阪都心部の商業地区の充実、大型ロードサイド店の進出などにより、買物客の地区外流出という事態に直面した。これに対処するために、「駅前地区は同一商業集積」という合言葉のもと、当商店街をはじめ、ジンジャモール瓢箪山商店街(65店)、サンロードタウン(20店)、瓢箪山駅前東商店会(60店)の四者が結束して連合体「スマイル瓢箪山」を創設。統一ポイントカード事業や共同販促などを実施して、他地区との激しい地域間競争を展開している。

 そんな共同事業の一環として生まれたのが「スマイル宅配便」である。事業参加店250店。これらの店で買物されたお客様の自宅まで、その日のうちに配送するというもので、平成14年10月にスタートした。

配送料は300円組合役員が配送

 「スマイル宅配便」は商圏エリア内のお客様を対象に、次のような要領で行っている。

  1. 営業日は月〜土曜日(日曜・祭日は休業)。
  2. 受付窓口は、商店街は組合事務所、市場はサービスカウンターに設置。買物客は購入商品を持参する。電話やFAXによる注文は行わない。
  3. 宅配の対象商品は、米・氷・酒や洗剤・トイレットペーパーなどの生活用品が中心で、運搬上の問題から、要冷蔵・冷凍食品、生鮮食品、破損しやすいワレモノなどは取り扱わない。
  4. 配送料は商品を入れる50リットルの専用コンテナボックス一つにつき300円。このうち220円は配送者に、残りの80円は組合に納められる。
  5. 配送には専用の三輪バイクを使用し、お客様が指定した時間にできるだけ商品を届ける。

 とくにユニークなのは、配送者が運搬業者ではなくて、近隣の米屋や酒屋が中心で一部組合員であることだ。この点について、当事業の仕掛人である岡本定雄副理事長は「宅配事業を行っている多くの商店街では、配送の人手と人件費が大きな問題となっています。私たちは配送を地域の米屋や酒屋と契約することで、この問題をクリアすることにしました」と、配送にお金をかけないやり方である点を強調している。

高齢者はもちろん、若い主婦にも大好評

 スタートして以来、お客様の間で大評判となっている。高齢者はもちろんだが、小さなお子様連れで買物する主婦の利用もかなり多く、「ゆったりと買物ができて嬉しい」と喜ばれている。

 注文個数は、取扱商品に制限を設けているため、半年間(10月〜4月)で171個(1日平均1個強)となっている。

 この実績について、岡本副理事長は「宅配事業を収益事業と考えるなら、この事業は失敗といえるでしょう。しかし私たちは、地域の生活支援事業と位置づけ、地域との結びつきを強めるための基本的な事業と考えています」と、宅配が商店街に不可欠な機能である点を力説する。

 利用客の動きをみると、リピート客が増えつつあり、これまでなじみのなかった地元生活者からの注文も増えている。宅配便事業によって、着実に地域と商店街との結びつきが強まっている。

インターネットの活用を検討中

 今後に向けては、宅配便を利用するお客様を増やすことが大きな課題となっている。

 そのために力を入れているのが、事業参加店と取扱商品の拡大である。現時点での取扱商品の制限がお客様の利用を阻む大きな要因となっているためで、現在、お客様の要望が高い要冷蔵・冷凍食品や生鮮食品の取り扱いに向けての検討に入っている。

 また、インターネットの活用にも取り組んでいる。現在、連合体「スマイル瓢箪山」のホームページを立ち上げているが、これを宅配便のPR媒体として活用するだけでなく、宅配商品一覧を掲載し、電話やFAXで注文できるようにする予定である。

 さらに、配達エリアを商圏外に拡大する声も生まれている。

 岡本副理事長は「これらをできるだけ早期に実現し、お客様のご要望に幅広く応えていきたい」と語る。「スマイル宅配便」の今後の展開が期待される。

お問い合わせは、瓢箪山中央商店街(振)へ   
0729‐82‐0411
東大阪市本町8‐21

(2面)

頑張るなにわの商店街
大阪市大正区 三泉商店街振興組合
手作りイベントで活力再生!

花金ラリー/肩こらサンデー/一店逸品運動


▲ ふだんの日の三泉商店街


▲「花金ラリー」の用紙


▲開発された開発された逸品。白菜キムチ、カレーパン、豆腐プリン


▲お年寄りに人気の「肩こらサンデー」

 商店街が生き残るには地域密着しかない!いまや商店街活性化の基本となっている方向だが、これを着実に実行しているのが、明治44(1911)年生まれの「老舗」商店街である三泉商店街振興組合(服部恭二理事長)だ。昨年から「花金ラリー」「肩こらサンデー」「一店逸品運動」と、組合員の手作りで、ユニークな事業を立続けにスタートさせ、注目を集めている。

大正区の中で一番古い商店街

 三泉商店街は、大阪ドームに近いJR環状線大正駅の南西に徒歩約5分のところにあり、約340mにわたるアーケードの下におよそ84店舗が連なっている。平成2年に法人化して振興組合となり、現在に至っている。

 大正区の数ある商店街の中で歴史が最も古く、明治44年に有志によって設立された「三泉共同市場」が前身である。尻無川水運の発達、市電の開通(大正14年)、工場の進出などにより、周辺地域の人口が急増。これを背景に当商店街は、戦前・戦後を通じ、地域の買物拠点として大いに賑わい、全盛期には112店舗が軒を並べた。

 しかし近年、工場の閉鎖や水運の廃止、さらには不況の進展などによって、来街者が年々減少し、空き店舗が目立ち始め(現在の空き店舗率約3割)、往時の活力が低下してきた。

 組合では、この事態を商店街の最大の危機として捉え、「商店街が生き残るには、地域密着しかない」という方針を打ち出し、このもとで現在、ハード面ではアーケードの全面改修(平成12年)、ソフト面では、以下にみる多彩な販促・イベントを展開している。

「花金ラリー」で街に活気が蘇る!

 販促事業としては、スタンプ事業(平成6年開始)をベースに多彩なイベントを行っているが、ここで蓄積した販促ノウハウを活かして、平成14年に開始した「花金ラリー」が評判をよんでいる。

 これは、毎週金曜日に実施している買物ラリーで、次のようなやり方で行っている。

  1. 参加店は、お客様をひきつけるサービスメニューを考える(例えばスタンプ5倍返し、超特価割引きなど)。
  2. これらのサービスメニューと店名を刷り込んだ用紙(チラシ)を発行する。
  3. お客様にその用紙を持参して買物してもらい、買物されると、用紙に店の印鑑を押す。
  4. 5店以上の印鑑を集めたお客様には、用紙と引き換えに印鑑の数に応じてスタンプを進呈(一店100円以上のお買い上げで捺印し、印鑑一個につきお買い上げ千円分のスタンプを進呈)する。そのスタンプでお買物やイベント参加に利用してもらっている。

 お客様の評判は上々で、毎週金曜日になると、来街者が増え出した。今では、景品と引き換えるお客様が毎回150人ぐらいまでになっている。スタート時には24店舗だった参加店も、60店舗と増えており、商店街の目玉イベントになりつつある。

 なお、毎週発行する用紙(チラシ)は、毎月1回が新聞折り込み、その他の週が手配り(各店の店頭に置く)となっている。手配りの場合は、組合事務所にある輪転機で用紙を印刷するので、経費〈は意外にかからない事業となっている。

「肩こらサンデー」で、お年寄りにやさしい商店街をめざす

 もう一つ、商店街の目玉イベントになりつつあるのが、「おじいちゃんもおばあちゃんもみんな元気で」というスローガンで、今年5月にスタートした「肩こらサンデー」だ。

 これは、地元の人たちを対象に、肩や腰を無料でもみほぐすサービスを提供しようというもので、商店街内にあるボクシングジムを会場として、毎月第一日曜日に実施される。参加できる者は先着40名。四人の専門のマッサージ師が一人当り30分間もみほぐす。

 会場には、地元ボランティアによる体力・血圧測定、孫や子とのツーショットをTシャツにプリントするサービスなどのコーナーが設けられ、マッサージが受けられない人でも楽しめるようになっている。

 スタート時から大評判。参加者の年齢制限は設けていないが、とくにお年寄りに喜ばれ、現在では開催日を楽しみに待つファンが生まれつつある。

 また、地域の高齢化に対する商店街の新しい試みという視点から、新聞・テレビにさかんに取り上げられ、大きな話題を巻き起こしている。

 服部恭二理事長は、「地域のお年寄りを元気にすることで、商店街の活性化が図れるという思いから、この事業をはじめました。予想以上の反響があり、たいへん嬉しい。これを機に、誰からも〈お年寄りにやさしい商店街〉と言ってもらえるような街にしていきたい」と決意を語る。

 街を歩くと、お年寄りのために椅子を店頭にだしている店があり、商店街でも組合員から寄贈された手作りの長椅子を通り三カ所に設置している。お年寄りに優しいまちづくりは着々と進行しているようだ。

拍車がかかる「一店逸品運動」

 さらに、これから力を入れようとしているのが「一店逸品運動」だ。

 一店逸品運動は、数年前から検討していたが、今年8月、当商店街メンバー26名でNHKのレギュラー番組「難問解決!ご近所の底力」に出演し、そこで一店逸品運動に取り組むことを宣言した。この全国放送をきっかけに本格的な取り組みが始まった。

 そのために、組合内に商店街で仕事に携わる多くに人からなる「逸品委員会」を設け、毎月2回の定例会議を開催。アイデア開発をはじめ、組合員が持ち込んだ商品企画の評価・決定を行っている。

 開発した商品は、それぞれ店の店頭ボードでお客様に告知するが、商店街のホームページでも掲載し、広くPRするようにしている。

 こうした体制のもとで現在、豆腐プリン、カレーパン、白菜キムチなどが続々開発され、いずれも人気商品となっている。

 服部理事長は、「出足は好調ですが、まだ始まったばかり。組合員全員が逸品を持つようにまるまで、粘り強く呼びかけていきたい」と語っている。今後の展開が楽しみだ。

お問い合わせは、三泉商店街(振)へ   
06‐6551‐2628
大阪市大正区泉尾1−13−7


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